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仕組み化と理念の浸透――「自社ローン」で全国、そして世界へ挑む

2026.05.12

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【対談】オトロンカーズ 代表取締役社長 吉武 誠一 ✕ ジムマネジメント 代表取締役 村山 太一

自社ローンという独自のビジネスモデルで急成長を遂げ、現在はオートバックスセブングループの一員として全国展開を加速させているオトロンカーズ株式会社。その舵取りを担う吉武社長と、弊社代表の村山。二人の対話から見えてきたのは、組織が拡大しても揺るがない「価値観の浸透」と、「属人性に頼らない仕組み化」の重要性だった。

「価値観の浸透」はエゴか、それとも組織の羅針盤か

村山

多店舗展開を成功させている吉武社長は、この「価値観の浸透」をどう捉えていますか?

吉武社長

私は、理念・価値観は浸透させるべきだと考えています。それは社長のエゴではなく、会社が「何を基準に判断するか」という共通言語を持つためです。特に拠点が離れている場合、現場で何かに迷った際、その都度私に確認するわけにはいきません。「挑戦を選ぶのか」「安定を重視するのか」、その価値観が揃っていないと、組織としての統一感が失われ、結果的に現場のスタッフが困ることになります。

村山

なるほど。店長やマネージャーによって判断基準がバラバラだと、お客様から見ても「オトロンらしさ」が分からなくなってしまいますね。

吉武社長

そうです。例えば当社の行動指針に「オンとオフ」があります。もし仮に店長が“残業して働くのが当たり前”という価値観を持つ人だったとしても、指針があるからこそ、会社として「それは違う」と是正できます。理念は、従業員を守り、働きやすくするための「羅針盤」でもあるんです。

村山

非常に共感します。当社も拠点が複数あり、どうしても拠点独自の「色」が出てきます。だからこそ今、価値観の浸透には特に力を入れています。私たちは「安心と期待感を提供する」というビジョンを掲げ、これまでお客様に提供してきた“安心”を土台に、さらなる発展に寄与することを目指しています。組織が大きくなっても、この軸は決して揺るがせたくないという思いは吉武社長と同じです。

「誰が社長でも回る」徹底した仕組み化へのこだわり

村山

組織が大きくなる中で、社長の想いをメンバーまで届けるのは簡単ではないはずです。具体的にどのような工夫をされているのでしょうか?

吉武社長

広報チームをフル活用しています。毎月発行する社内報では、理念を体現している社員をピックアップしてインタビューを掲載するなど、日常の業務と理念を結びつける工夫をしています。また、私はあえて現場に細かく介入せず、店長や部長に権限を委譲しています。

村山

それは単なる「信頼」ではなく、仕組みとしての強さを感じますね。

吉武社長

そうですね。私は会議などでよく「それって再現性はありますか?」と問いかけます。個が強すぎる組織は、その人が倒れた瞬間に崩れます。だから必ず“次の人”が育つ構造を作る。次長を入れるとか、サポートをつけるといった人員配置もその一つです。

また、売り方も数字の見方も同じです。社内システムで数字を統一しているのも、「この店長だから数字が取れる」ではなくて、「社内システムを見れば誰でも数字を取れる」状態に近づけたいからです。

村山

当社でも、個人のスキルや経験に依存してしまっている業務がまだ多くあります。その属人化のリスクはまさに今、強く感じているところでして、社内の業務フローや教育体制を見直すなど、組織として再現性を高めるためのテコ入れを始めたところです。

情報は「設計」で届ける。

村山

社内報などは、どれだけ熱意を持って配信しても、どうしても「見ない人は見ない」という課題がつきまとうと思います。読まれるための工夫や、情報の届け方で意識されていることはありますか?

吉武社長

ありますね。社内報に限らず「通達」全般に言えることですが、情報の出し方を間違えると誰も見なくなります。以前は、何でも全員宛ての「オール通達」にしていた時期がありましたが、重要度の低い情報が混ざることで、結果的に情報の価値が薄れて閲覧数が落ちてしまいました。だからこそ、今は重要なものを「重要」として正しく配置することを徹底しています。

加えて、コンテンツの作り方もマーケティングの視点で分析しています。冒頭にインパクトのある人物を配置して目を引くフックを作ったり、新店舗の情報であれば、その店舗の店長が、どのようなビジョンを掲げ、どう店舗を成長させていくのか。いわば会社にとっての「中期経営計画」の縮小版をしっかり語ってもらうようにしています。

村山

実際、手応えはいかがですか?

吉武社長

現在の閲覧数は200弱、多い時は300に達することもあります。当社の社内システムのアカウントを持っている社員数が200数十名であることを考えると、ほぼ全社員が目を通し、中には繰り返し読み込む社員もいる計算です。情報発信も「仕組み」と「分析」がセットになれば、組織を動かす大きな力になります。

村山

当社でも社内報展開用のアプリとしてBANDを導入し、発信しています。しかし、閲覧数が思うように伸びておらず、情報の届け方については試行錯誤が続いています。「誰に、どの情報を、どう設計して届けるか」という視点はまだまだ改善の余地があると感じました。

日本のサービス品質で世界を狙う

村山

「自社ローン」というニーズは、今や地方・都市部を問わず全国に点在しています。ここからの展開が本当に楽しみですね。

吉武社長

実際、さまざまな事情で一般的なローンが組めず、車を持てないことで生活に支障をきたしている方は全国にいらっしゃいます。審査に通った瞬間に涙を流して喜んでくださるお客様も少なくありません。

村山

まさに「生活の自立」を支えるインフラですね。今後の具体的なビジョンについてもぜひ伺いたいです。

吉武社長

まずは全国展開です。今は中部エリアまで進出していますが、次は関西、そして九州へ。各エリアに基幹となるファクトリーを置いて、その周辺に店舗を展開していきたいと考えています。

そして、日本で成功した手法でいずれ世界にも挑戦したいと考えております。全世界にオトロンの店舗が1つずつあるような未来を描いています。中古車流通で世界を獲った日本企業はまだありませんから、挑戦しがいがあります。

村山

最後に、私になにかアドバイスをいただけますか。

吉武社長

経営をしていると、毎日「もう無理だ」と思う瞬間があるかもしれません。でも、そこで踏みとどまってください。諦めなければ、失敗はただのプロセスに変わります。挑戦し続けること、それ自体が成功への唯一の道です。

村山

「諦めない心」ですね。改めて身が引き締まりました。そして私たちジムマネジメントもITの分野で日本のインフラを支えていると自負しております。より豊かな社会になるように今後も確かな技術で“安心”を提供し続けます。本日はありがとうございました!

【編集後記】

企業が成長するほど、組織は複雑になり、意思決定は現場へと分散していきます。
意思決定権を持つ人が増えても、企業としての統一感を失うことなく前に進む。そのときに組織を支えるのは、共通の価値観と、再現可能な仕組みなのかもしれません。

吉武社長が語られた数字の透明化や、社内報へのこだわり。
それらは単なる効率化の手段ではなく、離れた拠点でも、関わる人が増えてもなお、全員が同じ「オトロン」という旗印の下で自信を持って判断を下すための、「設計図」のように映りました。

当社もまた、組織づくりや情報発信のあり方について日々試行錯誤を続けています。
今回の対談は、「理念の浸透」と「仕組み化」が、組織の成長を支える重要な基盤であることを改めて考えさせられる機会となりました。

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