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現場に答えがある――外国籍人材とともに成長する現場マネジメント
2026.06.30
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【対談】東京オペレーションパートナーズ 事業管理部 部長 渡邉 祥平 ✕ ジムマネジメント 代表取締役 村山 太一

航空機内の清掃業務と、システムの運用保守を担うSES事業。一見すると全く異なる業界に見えるが、両者には共通点がある。それは「企業の業務を請け負い、現場の品質で信頼を築いていく」というビジネスモデルだ。
今回の対談では、航空機内の清掃を担う東京オペレーションパートナーズの渡邉氏と、SES事業を展開する村山が、現場マネジメント、人材育成、外国籍人材の活躍などについて語り合った。異なる業界でありながらも、現場に向き合う経営の本質には多くの共通点が見えてきた。
共通点は「大手企業のパートナー」としての現場責任
村山
当社はSES事業を中心に、システム開発の運用保守などの業務を請け負っています。一方で、御社は航空機内の清掃という全く異なる分野の仕事をされていますよね。ただ実際に現場を見学させていただくと、「大手企業の業務を請け負う」という点では共通している部分が多いと感じました。
渡邉氏
確かにそうかもしれませんね。私たちも航空会社から業務を受託して、その品質を担保することで価値を提供しています。お客様から直接見える仕事ではないですが、現場での品質が評価に直結する仕事です。
航空機内の清掃も、時間制限が非常に厳しいですし、少しのミスでも運航全体に影響する可能性があります。だからこそ、現場で働くスタッフ一人ひとりの意識や技術がとても重要になります。
村山
ITの運用保守も似ていますね。システムが止まらないように監視したり、エラーが出たら対応したり。表に出る仕事ではないけれど、止まると大きな影響が出る。そういう意味では、両方とも「裏側で社会を支える仕事」だと思います。
外国籍人材が支える現場
村山
現場の維持に欠かせないのが人材ですが、渡邉さんのところは外国籍のスタッフが非常に多いですよね。弊社でも海外人材の活用を検討しているのですが、コミュニケーションや教育の壁はどう乗り越えていますか?
渡邉氏
外国籍のスタッフの場合、日本語能力試験でいうとN1の方もいるものの、海外から初めて来た方たちの中には、N4程度の方も一定数在籍しています。日常会話はできますが、細かいニュアンスを正確に伝えるのは難しい場面もあります。ただし、基本作業は手順が決まっているので、教え方を工夫すれば十分作業に対応できます。
村山
言語面のハードルはやはりありますよね。そこは業務の仕組み化でカバーということですね。
渡邉氏
その通りです。ただ、私は言語能力だけで人材を判断するのは本質でないと思っています。言葉も重要な要素ですが、あくまで仕事をするための手段であり、それよりも仕事への姿勢や責任感、能力を見極めることを大事にしています。
5年間でどこまで成長できるか
村山
特定技能1号の在留期間は最長5年ですよね。その中でキャリアはどう広がっていくのでしょうか。
渡邉氏
最初は清掃作業からスタートしますが、コミュニケーション力や、周囲をまとめる力がある人は作業責任者へとステップアップすることもあります。
村山
帽子の色が違いましたよね。あれは役割による違いですか。
渡邉氏
外から見ても誰が責任者なのか分かるようにするための仕組みですね。航空会社のスタッフの方々からも見え、誰に声をかければいいかが一目で判断できるようにしています。
村山
海外の方が教育や育成に関わるケースもあるんですか。
渡邉氏
すでにあります。現在は管理職になっている外国籍の社員も在籍しています。彼らはアルバイトからスタートして、10年くらい勤務している人材です。
村山
10年ですか。それは本当にすごいですね。
渡邉氏
日本語が完璧でなくても、コミュニケーションがしっかり取れて、人を育てたり、業務改善を考えたりできる人材はいます。現場の中でどうすればより安全に、より効率的に、より確実にできるかといった視点を持つことのほうが大事なんですよね。
例えば、現場作業時にヒヤリハットに気づいて「ここ危ない」と指摘できるかどうか。その上で「どう改善するか」と解決策まで考えられるかどうか。そういう問題意識への向き合い方が積み重なり、日々の業務の中で少しずつ差となって表れてくると思います。
「答えは現場にある」という考え方
村山
現場とのコミュニケーションは、意識して仕組みを作っているんですか。
渡邉氏
仕組みというより、日々の関わり方を大切にしています。例えば「今日元気?」「寒いね」「昨日の現場どうだった?」といったちょっとした声かけを積み重ねる。それだけでも相手との距離は大きく変わります。
村山
それは渡邉さんご自身がなさっているんですか。
渡邉氏
私自身も行っていますし、他のメンバーもそれぞれ実践していると思います。そうした日々の関わりの中で実感しているのは、「答えは現場にある」という考え方です。現場の人が困っていることを解決していくことが、結果的に会社を良くすることにつながると思っています。
村山
弊社は現場が物理的に離れていることも多くて、なかなかそこまでできていないんですよね。私も意識して行わなければいけませんね…
渡邉氏
やはり現場に足を運ぶことが一番だと思います。課題を解決できるかどうかも大事ですが、「見てくれている」「関心を持ってくれている」と感じてもらうことも大事ですから。

人材の質を高め、組織を次の段階へ
村山
最後に、これから会社として目指していることを教えてください。
渡邉氏
まずは現在の業務の仕組みを、もう一段レベルアップさせることですね。安心して仕事を任せてもらえる体制をつくる。そのためには人材の質を高めることと、人材を安定的に確保するための仕組み作りが重要だと思っています。この仕事は人の力に大きく依存しているため、避けては通れません。その過程で教育の仕組みを整えた結果、新たな業務や価値が生まれる可能性もあります。
村山
ありがとうございます。最後に私に一言応援メッセージをいただけますか。
渡邉氏
村山さんは、今のまま前に突っ走っていってほしいです。細かいことを全部自分で抱え込むよりも、大きな方向性を示していくことが強み。細かな部分は信頼できるメンバーとしっかり話し合いながら進めて、強みを活かすことが村山さんの役割だと思います。
村山
今日お話を伺っていて、業界は違っても「現場をどう見るか」「人をどう育てるか」という部分は、本質的に同じなんだなと感じました。私自身も、もっと現場を見て、現場から学びながら会社を成長させていきたいと思います。本日はありがとうございました。
【編集後記】
一見すると交わることのない業界に見えるSES事業と航空機内の清掃。対談を通して見えてきたのは、「現場の品質で信頼を築く」という共通のビジネスモデルでした。
特に印象的だったのは、「答えは現場にある」という渡邉氏の言葉です。外国籍人材の活躍についても、言語の壁ではなく、仕事へ向き合う姿勢や能力を見ることが大切であり、現場で何を感じ、どうすればより良くなるのかを考える視点は、現場でこそ磨かれていくのだというお話でした。日々のコミュニケーションは、現場で働く一人ひとりの気づきや声が届きやすくなるきっかけづくりであり、人材育成や業務改善の仕組みもそこから生まれていることが伝わってきます。
業界は違っても、企業を支えているのは現場で働く一人ひとりの力です。現場に向き合い、人を育て、その声を組織に活かしていく。その姿勢こそが、これからの企業経営においてますます重要になっていくのではないでしょうか。
